人のお悩みは、人間関係の問題が多いですよね。
 
 
親子の問題、夫婦の問題、仕事が上手くいかない場合も人間関係の交流が上手くいっていない場合がほ
 
んどです。
 
人間関係は相手との交流ですので、自分自身の交流パターンに気付き、個性である性格を知り、意識し
 
て相手と交流することで上手くいくようになっていきます。
 
 
多くの心理学のなかで、交流を分析する「交流分析」があります。米国の精神科医 エリック・バーン氏
 
が創始者で「いに反応し合っている、人々の間で行われる交流を分析する」というものです。
 
 
交流分析のなかで、50問の質問に答えて、交流パターンをグラフ化した「エゴグラム」が紹介されてい
 
ます。自身の交流パターンを見える化することができます。

 

エゴグラムとは何か? 親(①父親的(CP)、②母親的(NP))・③大人(A)・子供(④自由な心(FC)、⑤従順(AC))の5つの自我状態」をグラフ化して表したものです。

自我状態とは何か?子供の頃からの経験によって形作られたその人の物事の捉え方、個性や性格のことです。

性格や個性は、十人十色、一人ひとり違います。私達は、同じ場面に遭遇しても異なった捉え方をしまね。

その反応パターンを5つの自我状態で表現しています。

5つの自我状態の高い低いが、その人の個性や性格の特徴になります。 

【例えば】
 
あなたが電車に乗っている時、空いている席がなかったので吊り革を持ち立っています。ふと前に座っ
 
ている20才前後の女性が、化粧を始めました。あなたは、どんな風に思い捉えますか?
 
A「人前でしかも電車のなかで、化粧をするなんてはしたない」
 
「時々、電車が大きく揺れるけど大丈夫かしら?」
 
「朝寝坊をしたのかな?時間を有効に使っているのね」
 
「うわー、上手く化粧しているな。凄い!」
 
E「電車のなかで、周りの人がどう思うのか気にならないのかしら、私が気になっちゃう」
 
 
いかがでしょうか?どのように捉えますか?このように、同じ場面に出会っても捉え方は
 
様々です。
 
生まれて幼少期からの環境や親の影響を受けながら、成長する過程で身についてきたものです。
 
 

自我状態に、親、大人、子供といった表現が使用されていますが、大人になっても子供らしさの一面を

持ち合わせていますし、親になっても厳しくない方もいらっしゃいます。それぞれの個性や性格と捉えて下さい。

先程の電車の中での捉え方から見ていくと

A 親の自我状態で、厳しく規則を重んじる父親的な一面が出ています。(CP)

B 親の自我状態で、お世話をする優しい母親的な一面が出ています。(NP)

C 大人の自我状態であり、論理的に判断します。(A)

D 子供の自我状態で、天真爛漫で大はしゃぎ。感情表現が素直です。(FC)

 子供の自我状態のなかで従順さが強く出ていて、感情表現が苦手。周りに合わせるので、協調性

あります。(AC)

エゴグラムは、自我状態をグラフ化しますが、グラフの数値が高ければ強く、低ければ弱いということ

を表します。性格の良い悪いではなくバランスが重要です。 

 
人は、いろいろな一面を持っていますが、特に強く出る思いや考えがあれば、その一面が特徴として現れます。
 
バランスよく場面によって対応できれば、信頼されコミュニケーションも上手くいきますが、特に強く
 
出る部分があるとコミュニケーションのズレを引き起こしてしまいます。
 
 
 
【例えば】
 
 
程の電車に乗っている場面に戻りますね。厳しく規則を重んじるAさんと、天真爛漫で、感情表現が
 
豊かなDさんが同僚で同じ電車に乗り合わせることになると
 
Aさん「ねえねえ。人前でしかも電車のなかで、化粧をするなんてはしたないと思わない?」 に対し
 
て、Dさんは「うわー、上手く化粧しているな。凄い!と思うよ」と答えると、Aさんは「何ってこと
 
を言うの!」と怒ってしまいます。逆にDさんも「えーー、何でそんなことで怒るの?」と交流は、ズ
 
レてしまいます。
 
 
 
どちらもいい悪いではないので、AさんはDさんを尊重し「へー、そういう見方もあるんだ」と、Dさ
 
んは「そうか。Aさんは規則、規律を大事に考えるのね」とAさんを尊重すれば、Dさんの返す言葉は
 
「そうね。電車の中ではね。私は、上手に化粧してるな、なんて思っちゃったのよ」と答えると、相手
 
を尊重しながら自分の考えも尊重できますね。
 
お互いに主張し合うより、尊重し合うと関係性はとっても良くなります。