1.心に聞く (ver.χ)
FAP療法では「心に聞く」という方法があります。
本来の自分の感覚である「無意識さん」とつながり、その感覚を感じとりながら、自分の心の声を聞いていきます。
自分のことを聞くだけ?と思いがちですが、私たちは案外自分の本当の心の声に気付いていなかったり、周りに合わせている感覚を自分の心の声と思ってしまうことがあります。
そのため、心のちょっと深い部分の声を聞いていくというものですので、今、気になっていることやお悩みを改善解消するためのヒントを聞いていくこともできるというわけです。
悩み事だけではなく、日常でちょっと迷った時など何でも聞けますので(だって自分自身ですものね(笑))決めやすくなり便利ですよ。
「心の声」とは。
私たちの脳の働きには、計算したり、考えたり、判断したりする「意識」と、感覚的な生命維持に重要な働きを担ってくれている「無意識」と言われる分野があります。この「無意識」に本音の部分が隠れています。
隠れているというより、判断をして意識で抑え込んでいるようなものですね。「なんと窮屈なことでしょうか!」
そこで「無意識」に働きかける必要がありますので「無意識」と関係の深い『心よ』というフレーズを使うことで「無意識」を活性化することができます。「コンコン!」とノックするようなイメージですね。
この「心よ」と言うフレーズで「無意識」とつながり、本来の「心の声」である良い悪いをジャッジしない感覚とつながり感じ取っていくというものです。
私たちは、自分の思うままの選択をしてはいけない、周りを見て合せていくことを教えられてきたように思います。
相手を思いやることはとっても大切なことなのですが、自分を無くして合わせていくのではなく、双方尊重し合うことが重要です。そのためには、まず自分を大切にし自分の心地よい方を選択することから始めていきます。
自分を大切にできるなら他者を思いやる気持ちは自然に湧き出てくるからです。
2.心に聞く問いかけ方
具体的な方法
問いかけ方はとっても簡単です。『心よ』と問いかける時に付けて聞いていくだけです。
無意識につながっていくタグを示しているようのようなもの。この「心よ」と無意識につながる言葉をつけて問いかけることで「良い、悪い」を判断してしまう意識した心の奥にある「無意識の本来の心の声」とつながっていくことができるようになっていきます。
【問いかけ方】
始めはこのように「心よ。私を助けてくれますか?」と聞いてみます。「はい」の感じや「助けてくれるよ」など、私の場合は「もちろん」と言った感じがしました。「いいえ」の場合は以下に
次に
「心よ。今私は、○○が気になっています。(ネガティブな気持ちや感覚)これは、私の感覚ですか?」
「はい」あるいは「いいえ」。ネガティブな感覚は、自分の感覚ではないので「はい」の場合は、以下にご紹介している邪魔の排除を行ってみる。
物事が上手くいかない時は、だいたい自分の感覚ではなく、周りの感覚を優先していたりします。周りのことが気になっているということは、エネルギーのロスになってしまいます。
これは、親や育った影響から受けた感覚でもあります。
「私の感覚ではない」「いいえ」といった場合、次の質問に入ります。
「心よ。これは、誰の感覚ですか?」「お母さんです」「お父さんです」だったり「兄弟姉妹だったり」「その他だったり」具体的に出てこない時は、はっきりさせる必要がないので「オリジナル」と表現します。
次に
「心よ。これは、○○さんの感覚なので○○さん(オリジナルの場合はオリジナルに)にお返し下さい」と言ってお返しします。「お返しする」と言うのは元に戻すだけですので、安心してお返しして大丈夫です。
お返ししてから改めて「心よ。○○なのは、どうして?」と聞いてみたり「心よ。私が私のためにできることを教えて」とか「私が一番望んでいることを教えて」など、聞いていきます。
それに対して答えが浮かんで来たら「心の答え」の通りにやってみて下さいね。
自分の心に繋がっている時は、難しいことではなく「のんびりと映画でも見ようか」とか「身体に優しいベジタブルな料理を作ってみる」など、シンプルな答えだったりします。
「やりなさい」とか「やらなければならない」だったり、無理なことを言っている感覚の時は、自分の「心の声」ではありませんので、その時は「邪魔の排除」をお忘れなく。(笑)
これで、心が軽くなっていけば、そのままご自身で続けていきます。
3.ネガティブな答えが返ってきた時は、邪魔の排除を
「ネガティブ」な答えやあるいは全く答えが「返って来ない」場合は邪魔を排除をする声かけをしていきます。
邪魔って何でしょう?
「無意識さん」の感覚に触れるのを邪魔するのが、良い悪いに縛られた「あるべき論」のような判断で、先程も少し触れましたが、親から入れられてしまった暗示のようなものです。
「無意識さん」は、生命維持のために働く本能や感性、感覚などの働きです。それに対して、考えたり良い悪いと判断したり評価する脳の働きが「意識さん」です。
私達が生まれた幼少期では、良い悪いを判断することはまだ備わっていません。
親から学んだり、学校で学習することで身についていくものです。この頃の親の存在は、頼るしかない身近な存在ですので、特に影響は大きいです。
親から肯定的な関わり方をしてもらえると「自分はこれでいい」と自信が持てるのですが、否定的な関わり方の親の元で育った場合、親の顔色を伺うため自分の感覚がどうなのかがわかりにくくなります。
幼少期に親の顔色を伺うというのは、常に緊張状態です。緊張していると、できることもできなくり、失敗をし「何やってるの。ダメじゃない」と追い打ちをかけられ「やっぱりダメだわ」と思い、自分自身にダメな評価をしてしまうという悪循環に陥ってしまいます。
幼少期は自由で親に気を遣わなかったという場合も、成長するなかで周りの評価を意識していると自分の感覚が後回しになってしまいます。
その状態では、自分の感覚に自信が持てず、無意識のうちに親や周りの評価を基準に自分の在り方を決めるようになってしまいます。
それが、当たり前になり周りの基準で決めていることが、自分で決めている感覚になり、本当に自分の進みたい方向や、自分のやりたいことが感じにくくなってしまいます。
親や周りの影響を受けた「やらなければならない」という判断で、たまたま上手くいかなかった自分を責めないためにも「邪魔」という表現を使用しています。
自分の感覚ではないので「邪魔」なんだと思うことだけでも、自分を責めることがなくなり気が楽になっていきます。
そこで「邪魔」を排除していきます。
「心よ。私と心との間に邪魔はありますか?」と聞いてみます。
次に
「心よ。その邪魔は誰ですか?」と聞いていきます。ハッキリしたくない場合は答えが出ないのでその場合は「オリジナル」と捉えます。
次に
「心よ。その邪魔を排除して下さい」「心よ。排除できたら教えて下さい」これだけです。至って、シンプルな方法です。
排除してから、先程の質問をもう一度行います。
「心よ」は、「無意識さん」です。「無意識さん」は「しなければならない」といった強制や判断がないので「心よ」とタグをつければ、何を聞いても大丈夫です。
答えに否定形が入らないので、もし、否定的な答えの場合は「本当に心なの?」と疑い、先程の「邪魔を排除して下さい」を行います。
4.聞いていく時のちょっとしたコツ
始めは、感覚がつかめない場合があります。今まで、自分の感覚の声を聞いてこなかっただけですので、焦らずに問いかけていきます。
また、始めから問題点や悩み事の答えよりも簡単な質問から慣れていきます。
例えば
「心よ。今日のお昼は何が食べたい?」とか「心よ。今日の夕飯は○○と○○のどっちが食べたい?」と2択の方が選びやすいかもしれません。「こうでなければ」がないので、自由に練習してただければと思います。
答えの感覚がつかめない時は、焦らずに坦々と続けていきます。長年抑圧されてきた場合、すぐに答えの感覚はつかみ取りにくいかと思いますので、そこは焦らずゆっくり自分に優しく問いかけて上げて下さいね。