FAP療法では、「心に聞く」と言う方法があります。    FAP療法 詳しくはこちら

「心よ」と、質問したいことにタグのようにつけていくことで、簡易的な催眠状態になり自分の感覚と繋がることができます。

(簡易的な催眠状態について、詳しくはこちら)

通常のセルフカウンセリングよりも少し深い応答を得る「心に聞く」ですが、では何を聞いていきましょうか。

始めは慣れるために日常生活の中で「心よ。今何食べたい?」とか「心よ。ポテトチップスが食べたい?」なんておやつを聞いたりしてみます。おやつは習慣で食べている場合が多いので、心に聞いてみると案外「あれー、いらないなぁ」と言う答えが返ってきたりします。(私の場合ですが)

「心に聞く」に慣れてきたら、今の問題点や気になることについて答えが欲しいですよね。

例えば、私の場合、初めて出かける場所では不安を感じることが多いです。1年程前に東京に引っ越してきましたが、運動のため住んでる地域でジムに通うようにしています。

東京に引っ越してからも荷物の整理ができれば、どこにジムがあるのか調べて行ってみることにしたのですが、知らない人の中に行くのは不安なものです。

今までの心理カウンセリングですと、初めて出かける場所では不安は当たり前。とにかく行ってみること。と不安を受け入れることを考えます。

FAP療法の「心に聞く」だと全く違った視点になるから面白いです。

「心よ。ジムに出かけるのだけど、私、とても不安を感じています。これは、私の感覚ですか?」なんて感情面に対してこの質問をしてみます。すると

「いやー、母の感覚。母の不安よ」と返ってきて、初めてこの答えを感じた時は驚きました。

「えーー、母の感覚!」「だって、母親は、石橋を叩いて渡るどころか石橋を叩いて壊してしまう位、やってみないで私に不安なことを愚痴ってたじゃない。子供ながらに母の不安を何とかできないものかって必死になっている間に自分の感覚になっていたみたいよ」

「そうか。ずっと母の感覚を自分の感覚だと感じていたのか」と、ふっと力が抜けました。

自分の感覚なら恒常性と言う作用で、元に戻そうとする作用が働くのです。例えば不安を緩和するために精神を安定させるセロトニンといった神経伝達物質の作用で落ち着かせようとしてくれます。

一晩眠ると、昨日悩んでいたのは何だっけ?といった状態へと導いてくれるのですが、自分の感覚ではなく母の不安だといくら悩んでも恒常性が働いてくれないので、落ち着いて来ないんです。

子供の頃のことなのですが、母の不安だと分離しないで自分の感覚だと思っていると、全く関係のないように見える今の私にも影響が出てきちゃうのです。

私が、初めて出かける場所に対して本来の不安に+α母の不安が加わり強くなっちゃうんです。

自分の感覚だと思っていることでも、親や周りの影響を受けて強化していることがあるものなんですね。

自分の感覚に戻り自分の感覚で生活していくと、不安も神経伝達物質が緩和してくれるので、心地よいものです。