1.「トラウマさん」は、誰でも体験している可能性もある

 

婚活が上手くいかない時や、仕事の人間関係であっても、わかっているのに感情のコントロールが効かなかったり、自分の望まない反応をしちゃって抜け出せないという時は「トラウマさん」の視点から見ていくと理解しやすくなります。

「トラウマさん」は、皆さん案外体験されているのかもしれません。

「トラウマさん」は、感情と記憶の整理がされていないことから起こるため、忘れてしまい反応だけが残ることが多いからです。

「トラウマさん」と聞くと、災害などのショッキングで大きな出来事があり、フラッシュバック(後になり、トラウマの体験記憶が突然かつ鮮明に頭に浮かんできたり、夢に見たりする状態)が起こる程の心の傷と思われますが、それだけではなく、幼少期の環境により緊張が続いたりして、ちょっとした親の一言で傷ついたりしたりして起こることもあります。

「トラウマさん」は、多かれ少なかれ経験している可能性もある訳なんです。

「トラウマさん」と聞くと「ええー、そんなのどうすりゃいいの」と思っちゃいますが、自分の感情のコントロールが効かなかったり、負のループから抜け出せないなと思う時は、自分を責めることを止めて「そうかぁ、トラウマさんの反応ね」と気づくことで少しずつ落ち着いていきます。

悩んでいる時は、自分を責めてしまい悪循環から抜け出せなくなるため、ネガティブな感覚を心の外へと外在化していくのに「トラウマさん」の理解は役立ちますよ。

「トラウマさん」について、少し整理していきますね。

2.「トラウマさん」の再上演

 

「トラウマさん」は、状況の記憶と感情の記憶が結びついていないことから起こると言われています。

私たちの記憶は「感情」と共に整理されていくのですが、出来事とそれに伴う適切な感情が結びついていないと、ネガティブな感情が整理されないので「あれでもない、これでもない」と、いつまでも頭から離れなくなります。

私の育った環境は、母が後妻でしたので、3人の異母兄弟がいる末っ子として生まれました。姉は、優しく可愛がってくれましたが、母親と姉たちとの関係が上手くいかず母もイライラしていたため、かなり緊張の高いなかで育ち「トラウマさん」を実感していました。

母はしつけだと思い、母の言うことを聞かない私を叩いていた時期もありました。8才か9才の頃、母とお風呂に入っていて、恐らく口答えをしたんだと思います。叩かれる瞬間が見えてスッーとよけて母が滑ってしまい笑ったことを覚えています。それからは叩かれなくなったのを覚えていますが、それまで叩かれていた内容は、あまり覚えていません。

記憶と感情が整理されていない場面があったことを実感しています。

記憶と感情の整理がされていないと、大人になった時「トラウマの再上演」として現れてきます。

私の場合、母に感情的に叱られ、単に母の機嫌が悪いだけなのですが、そんなことは理解できませんので、訳が分からず叱られた恐怖心だけが残り、いつ叱られるのだろうと母親の顔色を伺うことになりました。

本当は「悲しい」とか「孤独」や「不安」などいろいろな感情が交じり合っているのですが、出来事と感情がピッタリとマッチしていませんので「この感情は何かな?」とモヤモヤと嫌な気持ちだけが残ります。

大人になり友人は、気の合う人とお付き合いをすればいいところ、母親と同じようなタイプの人と仲良くなろうとして顔色を伺い、いつも断れず「はい」と言っていました。この状態が「トラウマの再上演」です。

人間関係などで、何度も同じような失敗や発言をしたり、わかってるのにコントロールが効かず反応してしまう時など「トラウマさんの影響」を考えると納得できます。

 

3.「臓器反応」を活用する

 

「トラウマさん」の反応をどのように解放していくのかということですが、まずは自分を理解してあげて自分を責めることを止めていきます。

次にFAP療法では、「臓器反応」を活用していきます。

【臓器反応とは】

大嶋先生が体験され、発見されたことなのですが、カウンセリングのお仕事をされていていて、毎日、胃が痛み胃薬を飲まれていたそうです。検査では、胃潰瘍の後があるので医師には「働きすぎなのでは」と言われて、お仕事を調整されても治らなかったそうです。

そんなある日、胃の調子が良い日があり痛みが治まっていた時、次の患者さんと会った瞬間、突然痛み始めて、調子が良かった分、不思議に思いカウンセリングをされていました。無表情の患者さんが怒りを表現され全部思いを吐き出し気持ちが解放されると同時に大嶋先生の胃の痛みも治まったのです。

この経験から、臓器が反応していたことを発見されました。相手の怒りが伝わり臓器が反応することから「臓器反応」と言い、反応を感じ取り受け取ることを「内臓共感」と名付けられました。

この「臓器反応」を簡単に受け取るために、古代中国の医学から人間の体にある経絡「手の指先」に注目されました。

感情に伴って臓器が反応するため、気になる出来事(トラウマの再上演の可能性のある)に関連する臓器反応の指先を体系化された順番に沿って押していくだけなんです。すると、モヤモヤするネガティブな感情と気になることの記憶が統合されて「あら不思議!」とスッキリしていきます。

 

4.中指ビンゴで、無意識さんにつながる

 

どの指をどの順番で押していくのかはリストがあります。(共著 大嶋信頼先生/米沢宏先生/泉園子先生の『本当の私よこんにちは』より)

そのリストを探るために「中指ビンゴ」を活用します。これは、無意識さんに繋がる方法の一つで、気になることを解消するために探るだけではなく、自分の本音を知ることで日常生活にも活かせますので、ぜひやってみて下さいね。

「中指ビンゴ」に関係する概念は、ミラーニューロンです。

【ミラーニューロンとは】

1996年、イタリアの脳生理学者 リツォラッティ博士によって発見されました。猿に人間がリンゴをつかむ動作を見せ、猿の脳の反応を調べると猿は見ているだけで、実際に手足を動かしている脳の反応が見られたというものです。

人も相手の動作を見ていたり、人の場合は考えるだけでも、脳がミラーニューロンで相手と繋がり同じように反応することです。

不安な人や緊張している人の側にいると、その感覚がまるで自分のように感じる経験はあると思います。

このミラーニューロンを活用して、カウンセラーはクライエントさんの脳とミラーニューロンで繋がり指の反応として受け取り「トラウマさん」の解消を行っていきます。

日常生活で活かせると言うのは「指の反応」は、自分が自分のカウンセラーになって行えるということなんです。

手(利き手で)をブラブラと降りながら、中指の反応を感じ取っていきます。反応は個人差があり、指がしびれる、つっぱる、固まる、ピクッとするなどがあります。私は、ピクッとする感じです。

頭の中で気になることを思い浮かべて、例えば私の場合「この不安、私の感覚?」と聞きながら指の反応を見ます。反応がなければ、「違うよ」ということです。「じゃぁこの不安、誰の不安?」と聞いてみると母の顔が浮かんだものです。母親の顔が浮かんだので「こっれて、お母さんの不安?」と聞いてみると、中指が反応しました。「そうだよ」という答えなんです。

「そんな感覚、わかんないよ」とか「バカバカしい」と思うと「良い悪い」と判断し、意識が働いて反応はわからなくなります。無意識の反応を掴んでいくため、考えず感覚的に行っていくのがコツですので、遊び感覚で簡単な質問を繰り返し、気楽に行っていきます。

毎日、自分が食べたい物を毎回聞いてみると練習になります。私の例ですが、この間も美味しそうな食パンが20%引きになっていて、意識では「お得!美味しそう」と思い買おうかと思いながら、スーパーで手をブラブラと降り「食パン食べたい?」と聞いてみると、指の反応はなく心の中でも「いらないよ」という感覚になってきました。

頭で考えて食べたいという気になりましたが「指の反応・中指ビンゴ」を活用すると、身体の反応で「いらない」とキャッチできるので、とても健康的です。

「中指ビンゴ」は、カウンセラーがクライエントさんと繋がるように、相手の脳と繋がり自分の判断で「あーでもないこーでもない」と考える脳を休めて直感的に相手の思いを完治することもできます。

自身の気になることや問題を解消するための指押しのパターンは11パターンありますので、共著 大嶋信頼先生/米沢宏先生/泉園子先生の『本当の私よこんにちは』を参照ください。

この書籍では、自分で行う方法のFAP療法が具体的に書かれています。

気になることがあり「トラウマさんの再上演かなぁ?」と思うことがあれば、どんどん「トラウマさん」を解放してあげて下さいね。そして、自分らしい楽しい人生を過ごしてね。