1.何か上手くいかない時は「自己免疫の暴走」のせいにしちゃいます

 

何をやっても上手くいかない時って、誰しもありますよね。そんな時、ついつい自分を責めてしまうのですが、責めずに問題を「外在化」する方法があります。

FAP療法の開発者 大嶋信頼氏によると「自分を責めると自己免疫が暴走する」とおっしゃられています。

自分を責めると脳内で炎症を起こし、頭に血が上ったようになり、適切な思考が働かなくなるということなんです。

【自己免疫の暴走というのは】

自己免疫は、本来自分を守るための有り難い作用ですが、そのなかで炎症物質が脳内に発生すると、異物を攻撃する体制に入ります。その時、自己免疫が正常な細胞までも攻撃してしまい、やる気がおきない状態、学習性無力感が強くなってしまうんです。

[学習性無力感は、チャレンジしても上手くいかないことが続くと完全に諦めてしまい、その状況から逃れようとすらしなくなってしまう。ストレスがなくなっても動こうとしない(動けない)状態です]

私は、かなり自分を責めてきましたので、脳内で「自己免疫の暴走が起きていたんだ」と思いました。そう思うと自分を責めずにすみますので、気持ちは随分楽になりました。

実際に脳内の変化を見ることはできないのですが、自分を責めると頭がカァーッと熱くなり、より嫌な気持ちになり何もする気になれなかったので納得しました。脳内の状態を確認できないにしても、気持ちが楽になりやる気が出ることが一番だと思うのです。

2.「問題を外在化」する

 

シャンテイISAでも取り入れている「FAP療法」は、ナラティブアプローチの概念に近いところがあります。自分を責めないためのヒントにナラティブアプローチから見ていくと、分かりやすいです。

ナラティブアプローチでは、上手くいかないことや問題が起きた時「問題を外在化」していきます。その前に「内在化と外在化」といった捉え方があります。

何か上手くいかない時は、大きく分けて自分を責めるか周りを責めるかになってしまいます。原因を追究しその原因が自分のなかにあると捉え「自分のせい」「自分の性格のせい」「自分の容姿のせい」と探し求めることを「内在化」といいます。

それに対して、原因を「親のせい」「学校のせい」「社会のせい」「資本主義のせい」と周りや外に向けることを原因の「外在化」と言います。

どちらもどうにもならないですし、自分のせいにして性格を何とかしようとすると、今までの自分を否定することになり、よりしんどくなります。その時「自己免疫の暴走」が起きちゃうので何もやる気になれずもう大変!

ナラティブアプローチでは、どちらでもなく問題そのものを外在化していくことを行います。「問題の外在化」ですが、物理的に外に出すことはできませんので(笑)、別のストーリーを描いていくということなんです。

仮設として、別のストーリーを見つけ出すことをナラティブ・アプローチの「オルタナティブ・ストーリー」と言います。

先程の大嶋氏の自分を責めるとその人の「自己免疫が暴走する」というのも仮設の一つです。仮設ではあるものの「自己免疫が暴走していて、身体もダルくなって何もする気がしないんだ」とか「自己免疫が暴走して、学習性無力状態なんだぁ」と思うと「自分がダメなんだわ」と責めて否定せずに済みます。

「自己免疫」の問題にしちゃいます。

科学的に自己免疫が暴走していることを証明できなくても「自己免疫」といった別のストーリーができることで楽になります。

 

3.自分を許します

 

自分を責めるのを止めると、少しずつ落ち着いていきます。自分を責めている時は無意識に責めてしまっているため、気付くことは大切なポイントになります。

責めなくなるとエネルギーの補充に入ります。責めの反対で優しく許していきます。自分に優しく暗示してあげて下さい。今まで責めていた時は無意識に責めていたと思います。この無意識さんを活用するという訳なんです。

考えるのではなく淡々と行うことで無意識さんが起動してくれます。そのためにも暗示なんだと思い、何も考えずにネガティブな言葉がけから優しい言葉がけに変えていきます。

例えば、何か上手くいかなかった事柄に対して原因を追究せずにシンプルに!

「〇〇できない自分を許します」と、〇〇のところに具体的な「できない」と思ったものを言葉にして、自分の心の中で7回をワンセットにして、何セットかダラダラと唱えてあげます。

スーッと気持ちが楽になりますよ。スーッと気持ちが楽になると、「取り敢えずこれをやっておこう」と目の前のことに気持ちが向くようになっていきます。

私の場合、元気だとあれもこれもとなり、あれもこれもはできなくて当たり前なのですが「できない自分はダメだな」というサイクルで上手くいかなかったんだと気付きました。

今では「ああー、自己免疫が暴走してる」と「〇〇できない自分を許します」と力を緩めて調整しています。

これを繰り返すと、案外やれることが増えていき「自己肯定感」が上っていきました。自分を責めないでいると、少しずつやる気のエネルギーが動き始めていきます。