食欲がコントロールできない時ってありますよね。お腹がポッコリとしてきて、体重も気になるーー。自信もなくなっちゃうし、意欲もなくなってしまいます。

思い返して、体重が気になるから明日から甘い物は控えようと決めたはずが、次の日になると食べてしまいます。

寂しくて食べちゃう時、コントロールできない時って、自分は「意志が弱くてダメなのよね」と責めモードになり、より嫌な気持ちになって「エーイ」と食べちゃいます。私は、この負のサイクルから長い間抜け出せませんでした。

若い頃は、食べて吐いてしまう摂食障害だったんですね。それがきっかけで、カウンセリングやヒプノセラピーを受け、さらに学ぶことで、何故過食症になったのかはよく理解でき、過食症状は大分治まったのですが・・・

まだ、自由に自分の人生が生きれていない、そんな感覚が残っていました。

そんな時、「これだ」と思ったのがFAP療法です。FAP療法を通して自分を責めない感覚を身に付けていくことで、母親をはじめ人間関係での支配から自由になり、自分の感覚を取り戻すことができたのでした。その状態では、食欲は自然にコントロールできちゃいます。

私の場合は、母親との共依存関係でした。母は、精神的に弱い人だからサポートしなくっちゃという万能感が強いことと、母親の愛情が欲しいという執着から、食欲が止まらなくなっていました。

【万能感とは】

幼児期において「自分は何でもできる」「自分は特別」といった全知全能に近い感覚です。幼少期の特徴の一つでもあり、幼児的万能感とも呼ばれています。まだ判断力のない幼少期の心の作用で、成長過程で必要な段階でもあります。

幼少期は、無知で無力ですが親の庇護下にあり、自分の無力さに気づかず思い通りになるという感覚です。やがて、困難なことを体験しながら現実が見えて失われていきます。

この時期に、親がイライラしていたり不安定な状態だと、子供は「自分の所為で親がイライラしているので、自分がいい子になってなんとかしなくっちゃ」と、万能感が強く働いてしまいます。

子どもは親の庇護を受けて育ちますが、その時期に子どもが何とか親を助けなきゃと逆転してしまうと、必死ですから、大人になっても万能感がちょいちょい顔を出してしまい、ストレスを強く受けてしまいます。

私はそんな訳で、ちょっとした人間関係のストレスから食欲が止まらなくなり、自分の感覚も分からなくなっていました。

自分の感覚とは、自分自身を大切にできて、心地よくて穏やかな感覚です。穏やかな感覚だと、食欲は必要な量で落ち着くようになっていきます。

自分の感覚を取り戻し、負のサイクルから抜け出すためには、まず自分を責めないことからです。

FAP療法の捉え方の一つに、食欲をコントロールできない時や、食べていないと落ち着かない時の状態を「発作」と捉えています。

【発作とは】

FAP療法では脳の電気発作のことを「発作」と呼びます。脳の働きは電気活動で行われていますので、脳には、微量の電気が流れています。

その電気が、静かに流れていると「穏やかな感覚」なのですが、ストレス(ストレッサー)などの刺激で脳に帯電した状態の時に、さらに刺激(例えば、母親から小言を言われるなど)が加わると「ビビビッ」といった感じ(俗に言うキレる)で、電流を放出しちゃいます。具体的には、「カーッ」となって「エーイ!食べちゃえーー」と言った状態が「発作」なんです。

この状態は、反射的なものなので「エーイ食べちゃえー」といった時は、ほとんど無意識的に食べ物に手が伸びています。なので、食べた後からくる「ああー、食べちゃった」という時に「ああー、これが発作かぁ」と自覚していきます。自分を責めるのではなく「発作が出ちゃった」と責めない責めない!

自分を責めなくなっていくと、食べる前に「あっ、発作だぁ」と一息おけるようになり、今はお腹すいてないから食べなくても大丈夫と落ち着いていきます。但し、自覚できたりできなかったりと、行きつ戻りつするものですので、徐々に自覚する感覚が上がっていくまで焦らないで下さいね。