前回のブログでは、母娘の関係性、特に支配される支配する関係性には幼少期の環境が影響する場合のお話をさせて頂きました。

幼少期の環境の中で適応して生きていくために必要な選択をするのですが、その時、親の言葉だけではなく態度や表情など、言葉の裏にあるメッセージを受け取ると言われています。(交流分析創始者  アメリカの精神科医エリック・バーン氏、著者 杉田峰康氏「交流分析」 参照

親の関わり方から思いを受け取るのですが、交流分析では否定的で子どもの行動を制御してしまうメッセージを「禁止令」と言っています。この「禁止令」がきっかけとなり、その環境の中で生きていくためにコミュニケーションの基本を身に付け、さらにその後の人生脚本を描き、その人生を生きていくと言われています。

もちろん「禁止令」ではなく「肯定的」な関わり方をされる親御さんもいらっしゃいますよね。その場合、自分の人生も肯定的なものを描き、失敗も経験として活かす人生脚本が描かれるでしょう。(わーー、羨ましい⤴⤴)

簡単に「禁止令」をご紹介させて頂きますので、読まれてみて「それは、ないない」と思われたら、おめでとうございます。親のネガティブな態度や言動の影響は考えられないと言うことです。

「禁止令」は、あくまでも一例ですので、「この部分は当てはまるのかも?」と思うけど「これは違う」と様々です。

気楽に目を通しながら、「人生を窮屈にしている部分があるかなぁ?」と気付きがあると「自分の人生を思うままにどんな風に生きたいかなぁ?」と思い返すきっかけになると思います。自分で思い描いている人生脚本ですので、自分で書き換えることができると言うことなんです。

「人生ドラマのプロデューサー」になって「自分のドラマの新しいストーリー」を考えるヒントになるためのものですので、追究するのではなく気楽に読んで下さね。

(1)存在してはならない

乳幼児期から、拒絶、虐待、存在無視、あるいは、両親の不和の原因が子ども側にあるような言動などから「存在してはならない」と言ったメッセージが養育者側から発信されて受け取ってしまう。

一般的にこのメッセージを受け取ると悲哀感や絶望感などの陰があったり、自分が他者にとって邪魔になると心の奥で感じ、相手との一体感が持てなくなってしまう。

(2)男(女)であってはいけない

男:父親不在で男の子らしい遊びなどを通じて、男性的な役割を自然な形で、身に付けていく機会がなかった場合、大人になっても母親依存の感情が潜んでしまったり、異性との関係で、受け身的になってしまうなどの影響に現れることがある。

女:親が長男を望むあまり、幼児期に「女の子でがっかりしたよ」とか「女はいつも損をするよ」と聞かされて育った場合など、勝気すぎて男性と闘争的な関係になりやすい。

(3)子供のように楽しんではいけない

両親、あるいはどちらかが人生の楽しみを怠惰と見なしたり、他人に頼ることのない超自立的な親からの影響受けて、楽しむことが罪のように教えられてしまう。

仕事中毒や自己犠牲といった生き方をしてしまうことが多い。児童期では、勉強ばかりして休み時間が落ち着かなくなったり、親しい友人ができず、教師や大人との交流を好んだりする傾向もある。

(4)成長してはいけない

大人になることを拒むピーター・パン。特別扱いを期待したり、依頼心が強くなってしまう。何年も留年を重ねたり社会人になる行動が取れなかったりする。母子密着が強く過保護・過干渉が見られることが多い。母子一体という思い込みができてしまう。

成長過程における親の拒絶などによる愛情喪失から、この事実に耐えられず幻想のなかで母子一体感を存続させようとしてしまう。大人になってもこの幻想を無意識的に存続させようと、周囲にも一体化を図るために合わせ過ぎてしまう。

母娘関係で距離が取りづらい場合、この「禁止令」が多く見られる傾向があるのではないかと思います。

(5)成功してはいけない

「あなたは何をやってもダメね」「肝心なところで必ず失敗する」などの「禁止令」を受けて、大人になった時に自己破壊的な人生を送っちゃう。世間的に知られる業績を上げながら、女性関係がもとで全てを棒に振ってしまうなど。

他者からすると「ええー、何で?」と思うけれど、「禁止令」が入っているとやっちゃうのかなぁと思います。

(6)実行してはいけない

この「禁止令」は、親の「・・・できない」というメッセージが考えられてきます。「忙しくって食事の用意ができない」とか「遊んであげたいけど、用事があってできない」など、親が「しない」のに「できない」といった表現を使う場合。

影響としては、人生の重要な局面に立つ時、決断実行できなかったり、新しい技術に接しても旧体制から抜け出せず、取り残されてしまったりなど。

(7)重要な人物になってはいけない

「お前は子どもだから黙っていなさい」といつも自己主張を禁じられた場合、優秀な頭脳を持ちながら、劣等感に悩む人。児童期には自意識過剰になってしまい、自信が持てなかったり、失敗を恐れて頭角を表せなかったり、仲間の手先になってしまったり。

「そういえば、何となく、これらのようなメッセージを受け取ったのかも?」と感じたら、そこで描いた人生脚本が見えて行きます。自分の描いた人生脚本が見えてくると、書き換えが可能になると言うことなんです

誰しも多かれ少なかれあるもので、「そんなものだな」とか「それが自分の性格」と思ってしまうのですが、性格や自分らしさではなく、周りの影響から思い描いているだけなんですよね。

思い描くということは、そこに現実があるように見えて、記憶やイメージの世界だと言うことなんです。私達は、現実にしんどい思いをしているというより、記憶やイメージに縛られているだけなんです。

単にイメージを描いているだけですので、イメージを替えることが可能であるということをお伝えしたいです。

次回は、イメージを書き換えていくには?を書いていきたいと思います。つづく・・・